参院選、盛り上がってきていますね。
いまでこそ参院選も都議選も欠かさず投票しているけれど、私が初めて選挙に行ったのは20代なかばでした。ずっと地元に住民票を残していたため、住んでいた東京で投票する権利がなかった、というのが建前。本音のところでは、政治のことはよくわからないし、興味がなかったんだと思います。
結婚と前後して住民票を移してからは、ちゃんと選挙へ行くようになりました。目についた公約で候補者を選んだり、自分に合った候補者や政党が選べるWebサービスを使ったり。わからないなりに、いろいろ考えるようになってきたのが20代後半といえます。
▶参考にしていたWebサービス
毎日新聞ボートマッチ「えらぼーと」
NHKボートマッチ
朝日新聞「政党・候補者マッチング」
子どもを産んでから、政治が身近になった
そんな私と政治の距離感が変わってきたきっかけは、子どもを持ったことでした。
長男は2016年3月生まれ。
はてな匿名ダイアリーに投稿された「保育園落ちた日本死ね!!!」という記事が、ちょうど世間をにぎわせていたころでした。
何なんだよ日本。
一億総活躍社会じゃねーのかよ。
昨日見事に保育園落ちたわ。
どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。
子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?
何が少子化だよクソ。
はてな匿名ダイアリー「保育園落ちた日本死ね!!!」より
産後はできるだけ早く仕事に戻りたいと思っていた私にとっても、このブログはまったく他人ごとではありませんでした。
そもそも、3月に生まれた子どもはまだ小さいため、翌4月の入園はできません。そうすると0歳児の枠はすべて埋まってしまい、年度途中で入園するなんて絶対に無理。翌年4月に、激戦の1歳児クラス入園を勝ち取らなければいけないのです。
早生まれになった時点で、1年間の自宅保育が決定するなんて、妊娠するまで知りませんでした。
また、早生まれは経済的にも損をします。
児童手当の支給期間は、0歳から中学校卒業(15歳の誕生日が過ぎた最初の3月31日)まで。4月生まれの子どもより支給開始は11ヶ月も遅いのに、支給終了は同じ日のため、総支給額は11ヶ月分少ないのです。
保育園に入れないこと、もらえるお金が減ってしまうことというよりも、生まれた月によって明らかに不利な面があるのに、なんの調整もなされていないことに対する驚きと悲しみがありました。
いまの国や政治は、この偏りを放っておいていいと思っているんだ、と感じたのです。
政治で生活が変わるんだと実感した、東京都知事選
そして迎えた、2016年夏の東京都知事選。
どの候補もそれなりに待機児童解消政策は語っていて、選挙時点ではその公約にあまり差を感じていませんでした。
決め手になったのは、小池百合子さんが初の女性都知事を狙っていたこと。
日本のジェンダーギャップ指数の低さが以前から気になっていたため「東京オリンピックのときに初めての女性都知事がいる、なんていいのでは」くらいの軽い気持ちで、小池百合子さんに投票したような気がします。
それから、東京の子育て環境は少しずつ、でも着実に変わっていきました。
長男のときには1歳児入園で月額6万円ほども保育料を払い、3歳でもまた保活を余儀なくされたのに、次男は0歳で第一希望の園にすんなり入れて、3歳から保育料はかかりませんでした。
2024年に生まれた娘には、育児グッズに使える15万円分ものクーポンが給付。リーズナブルな産後ケアが利用できて、0歳から保育料は無料でした。
所得制限のない都独自の支援金や給食費の無償化、まだ先のことでどうなるかわからないとはいえど、高校無償化などの支援もはじまりました。子どもの医療費無料も、本当にありがたい制度です。
いまや、小池百合子さんは「都民の義母」と呼ばれるほど。そのほかのさまざまな政策については議論の余地がありますが、手厚い子育て支援には、感謝しかありません。
なんというか、私たち子育て世帯の存在を、ちゃんと認識してくれているんだな……と感じます。
(でも、早生まれの不利な面はまだ改善されていません。お願い、お義母さん!笑)
政治が変わると生活が変わるんだ、というのをひしひし感じた数年でした。
じゃあ、今後の舵取りを、誰に任せる?
現金支給をエサに女性をまた家庭に押し込め、ただ出産・育児をさせようとする党や、改憲で戦争に突き進む党、この苦しい物価高に対応する気のない党には、入れません。
テクノロジーの力を活かして効率的で透明な政治をつくり、私たちの世代に寄り添ってくれそうな党に。社会保険料を見直し、本当に必要なサポートを考えてくれそうな人に、投票したいと思っています。
参院選、どうなるか怖くもあるけれど。明日につなぐ希望が生まれることを祈っています。
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